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2026.08.25最終更新 2026.10.12

#補助金#ホームページ制作#中小企業#大阪#小規模事業者持続化補助金

大阪の中小企業が補助金でホームページを作る方法──IT導入補助金・小規模事業者持続化補助金の選び方と申請実務【2026年版】

執筆 on the edge 編集部

大阪の中小企業が補助金でホームページを作る方法──IT導入補助金・小規模事業者持続化補助金の選び方と申請実務【2026年版】

「IT導入補助金を使えばホームページが作れる」──この誤解が、大阪の中小企業の補助金申請で最も多い失敗です。 デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は原則としてソフトウェアやクラウドツールの購入費が対象であり、通常のホームページ制作費には使えません。

では何が使えるのか。2026年現在、大阪の中小企業がホームページ制作に活用できる主な補助金は「小規模事業者持続化補助金(第20回)」です。 上限30万円・補助率2/3で、ウェブサイトの新規制作・リニューアルに直接充てられます。

本記事では、どの補助金が何に使えるかの判断基準を整理し、小規模事業者持続化補助金の2026年(第20回)の変更点と申請の段取りを、実務の視点から解説します。

※ 補助金・税制は年度や公募回で内容が変わります。金額・締切・要件は必ず各公式サイトの最新の公募要領でご確認ください。本記事は2026年8月時点の情報です。


まず結論:どの補助金が使えるか

補助金HP制作に使えるか補助上限補助率2026年申請締切
小規模事業者持続化補助金(第20回)✓ 使える(ウェブサイト関連費として)30万円(税込)2/3(赤字事業者は3/4)2026年12月15日
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)△ 原則使えない450万円まで(枠による)1/2〜2/3随時(次回公募確認要)
ものづくり補助金× 通常は使えない750万〜2,500万円1/2〜2/3随時(第23次公募中)
吹田市 WEBデザイン活用事業補助金✓ HP制作が対象(吹田市内事業者のみ)20万円—2026年12月11日
堺市 デジタル化促進補助金△ 対象要件を要確認(堺市内事業者のみ)100万円1/22026年8月31日(終了間近)

なぜIT導入補助金はホームページ制作に使えないのか

デジタル化・AI導入補助金(2026年度からの正式名称。旧称:IT導入補助金)は、事務局に事前登録されたITツール・クラウドサービスの購入・利用費が対象です。対象となるのは会計ソフト、在庫管理システム、CRMツールなど、既存の製品として登録されているもの。

ホームページ制作は「貴社向けに1から設計・制作する受託制作サービス」であり、登録ツールではありません。そのため、通常の制作費・デザイン費・コーディング費は補助対象外です。

例外:登録ツールが組み込まれる場合

ただし、ホームページに予約管理システム、AIチャットボット、受発注システムなど、事務局の登録ITツールを組み込む場合は、そのツール部分の費用のみ対象になる可能性があります。制作費ではなく「登録ツールのライセンス費・利用料」として切り出せる場合です。

通常のHP制作費そのものは対象外と理解したうえで、ツールを使う場合は「IT導入支援事業者」に個別確認してください。なお、デジタル化・AI導入補助金は申請者が単独で申請できない制度です。登録された支援事業者との共同申請が必須になります。

大阪の中小企業が使える補助金・税制の全体像については、大阪のAI・DX補助金ガイド(2026年版)も参照ください。


小規模事業者持続化補助金(第20回)── HP制作に最も直結する制度

制度の概要

「小規模事業者持続化補助金」は、小規模事業者が経営計画に基づいて取り組む販路開拓・業務効率化の費用を支援する制度です。ウェブサイトの新規制作やリニューアルも**「ウェブサイト関連費」として補助対象**です。

対象となる事業者規模の目安:

  • 製造業・建設業・運輸業等:従業員20人以下
  • 卸売業・小売業・サービス業等:従業員5人以下

大阪府内の中小企業であれば、大阪商工会議所または各地の商工会を通じて申請します。

第20回の変更点──「1/4ルール廃止」の実務的な意味

第20回(2026年)から、ウェブサイト関連費の取扱いが大きく変わりました。第19回まであった**「補助金申請額の1/4以下」という上限が廃止され、ウェブサイト関連費の上限が30万円(税込)に統一**されました。

これが現場で何を変えるのか、具体的な数字で確認します。

第19回(旧ルール)の場合:HP制作費30万円を使うには?

  • ウェブサイト関連費は申請総額の1/4以下という制約があった
  • HP制作30万円を最大限使うには、申請総額を120万円以上にする必要があった(30万円 ÷ 1/4 = 120万円)
  • 他の補助対象経費を90万円以上積まなければならず、HP制作単体では実質的に活用しにくかった

第20回(新ルール)の場合:HP制作費30万円を使うには?

  • 1/4ルールが廃止されたため、総額が少なくても30万円のウェブ費を使える
  • 他の経費(開発費・広報費等)との組み合わせは引き続き必要だが、少額プロジェクトでも申請しやすくなった

また、Web広告・SNS広告は第20回から「ウェブサイト関連費」から「広報費」(上限30万円)に分類が移りました。HP制作費と広告費を両方使う場合は、それぞれ上限30万円が適用される点も把握しておいてください。

費用分類の整理(第20回):

経費項目分類上限
HP・ECサイトの新規制作・改修ウェブサイト関連費30万円(税込)
撮影・画像・動画制作ウェブサイト関連費同上
Web広告・リスティング広告・SNS広告広報費30万円(税込)
チラシ・電子パンフレット・プレスリリース配信広報費同上

「他の経費との組み合わせが必要」の実務的な意味

ウェブサイト関連費と広報費だけでは申請できません。必ず「機械装置等費」「開発費」「外注費」「委託費」など、他の経費区分と組み合わせる必要があります。

実務上よく見られる組み合わせ例:

  • HP制作25万円(ウェブ関連費)+新商品パッケージ試作15万円(開発費)
  • ECサイト構築30万円(ウェブ関連費)+展示会出展費15万円(外注費)
  • HP制作20万円(ウェブ関連費)+プロ撮影10万円(ウェブ関連費)+看板制作10万円(広報費)

なお、発注額が50万円(税込)を超える場合は相見積もりが必要です(第20回から旧基準100万円超より引き下げ)。HP制作費で50万円を超える場合は複数社から見積りを取ることが申請条件になります。

補助額のシミュレーション

ケース1:HP制作(30万円)+商品試作費(20万円)の場合

  • 補助対象経費の合計:50万円
  • 補助額(2/3):約33万円
  • 自己負担:約17万円

ケース2:ECサイト(30万円)+展示会出展費(20万円)+チラシ(10万円)の場合

  • 補助対象経費の合計:60万円(通常枠の上限50万円まで補助対象)
  • 補助額(2/3):約33万円(50万円 × 2/3)
  • 自己負担:約17万円+超過分10万円

通常枠の補助上限は50万円(インボイス特例で100万円、賃金引上げ特例で200万円まで拡張可)です。ウェブサイト関連費に充てられる額は最大30万円が上限です。

申請スケジュール(第20回)

マイルストーン日程
公募要領公開2026年5月27日
商工会議所・商工会への相談開始(推奨)2026年10月末までに動き出す
様式4(支援計画書)発行受付締切2026年12月4日(金)
申請受付締切2026年12月15日(火)17:00
採択発表(予定)2027年3月頃
事業実施・実績報告採択後の指定期間内

申請にあたって押さえること

持続化補助金は「何のためにホームページを作るのか」という経営上の目的を問われます。「経営計画書」の質が採否を左右します。ここで重要なのは、「HPを作ったら売上が上がる」という曖昧な計画ではなく、「このサイトで問い合わせをX件増やし、翌年度の売上をX万円改善する」という根拠のある目標設定が鍵になるという点です。

Webサイトのリニューアルを検討中であれば、ホームページリニューアルで失敗しない7つの確認事項も参照ください。発注前に整理すべき要件と目標設定の考え方をまとめています。


大阪府・市区町村独自の補助金

吹田市:WEBデザイン活用事業補助金(2026年12月11日まで)

吹田市内に事業所を持つ中小企業を対象に、HP作成・PR動画制作費の一部を補助する制度です。

  • 補助上限:20万円
  • 申請期間:2026年5月21日〜2026年12月11日(現在受付中)
  • 対象:吹田市内の中小企業
  • 詳細:吹田市産業労働にぎわい課(公式サイト)で確認

小規模事業者持続化補助金と重複受給できるかは事前に確認が必要ですが、吹田市内であれば両制度を組み合わせることができれば補助を厚くできる可能性があります。

堺市:中小企業デジタル化促進補助金(2026年8月31日締切)

堺市内の中小企業を対象に、IoT・AI・クラウドサービス等のデジタルツール導入費を補助。補助率1/2・上限100万円。ただし、HP制作費そのものが「デジタルツール導入」として対象になるかは制度の主旨によって異なります。2026年8月31日が申請締切のため、受付はほぼ終了しています。堺市内の事業者は次年度(令和9年度)の開始を待つか、持続化補助金を主軸に検討してください。

その他の市区町村

大阪府内には43の市区町村があり、HP支援や販促支援の補助制度を独自に設けている自治体は他にも存在します。所在地の商工会・商工会議所か、各市区町村の産業担当部署に問い合わせることで最新情報が得られます。


どの補助金を選ぶか──判断フレームワーク

Step 1:事業者規模を確認する

  • 製造業等で従業員20人以下、またはサービス業等で5人以下 → 小規模事業者持続化補助金の対象(Step 2へ)
  • 上記より規模が大きい → 持続化補助金は対象外。HPにシステムを組み込む場合はデジタル化・AI導入補助金の登録ツール枠を確認

Step 2:HP制作以外の事業投資があるかを確認する

  • 新商品開発・展示会出展・設備投資など、他の補助対象経費も計上できる → 持続化補助金で組み合わせ申請を設計
  • HP制作費のみが発生する → ウェブ関連費単独申請は不可。他の投資計画との連動を検討してから動く

Step 3:所在地を確認する

  • 吹田市内 → WEBデザイン活用事業補助金(上限20万円、12月11日まで)を持続化補助金と並行検討
  • 堺市内 → 今期のデジタル化促進補助金は終了間近。持続化補助金を主軸に

Step 4:HPにシステムツールを組み込む予定があるかを確認する

  • 予約管理・CRM・受発注など登録ITツールを使う → デジタル化・AI導入補助金のツール費用部分が対象になり得る。IT導入支援事業者に確認を

申請で失敗しないための4つのポイント

1. 採択通知が来るまで発注しない

補助金制度の大原則ですが、守れずに補助対象外になるケースは少なくありません。「申請前に制作会社と打ち合わせをして要件を固め、採択後に正式発注する」という段取りが基本です。事前に支払った費用は補助されません。

2. 商工会議所・商工会への相談は締切2ヶ月前には始める

持続化補助金の申請には、商工会議所・商工会が発行する様式4(支援計画書)が必要です。書類の準備・相談・発行に2〜4週間かかることもあります。2026年12月の締切に対して、遅くとも10月末までには相談を始めることを推奨します。

3. 「売上・利益の数値目標」を先に固める

持続化補助金の採否は経営計画書の完成度に左右されます。「このHPを作ることで、翌年度の売上をX万円増やす」という具体的な目標とその根拠を書けるかどうかが核心です。目標設定の考え方は、初めてホームページを作るときの費用・工程ガイドでも整理しています。

4. 補助金額で制作会社を選ばない

補助金が出るからと予算感覚が変わると、必要以上に高い見積りを受け入れてしまうことがあります。補助金はあくまで投資額の一部を回収する手段。「補助なしでも妥当な金額か」という判断軸を持ち続けてください。制作費の相場感についてはホームページリニューアル費用相場と発注ガイドも参考にしてください。


よくある質問(FAQ)

Q. IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)でホームページを作れますか?

通常のHP制作費は対象外です。対象は事務局に登録された既存のITツール・SaaSサービスに限られます。予約システムやCRMなど登録ツールをHP上に組み込む場合は、そのツール費用部分のみ対象になる可能性があります。IT導入支援事業者に個別確認してください。

Q. 持続化補助金でホームページだけを作ることはできますか?

ウェブサイト関連費のみでの申請は不可です。必ず他の補助対象経費(商品開発費、展示会出展費、設備費等)と組み合わせる必要があります。「HP制作以外に補助対象となる投資があるか」を先に確認してから設計してください。

Q. 第20回持続化補助金のウェブ制作費の上限はいくらですか?

ウェブサイト関連費として上限30万円(税込)です。第19回まであった「補助金申請額の1/4以下」という制限は廃止されました。HP制作費が50万円(税込)を超える場合は相見積もりが必要になります。

Q. 補助金の採択から振込まで、どれくらいかかりますか?

持続化補助金の場合、採択発表(2027年3月頃)→事業実施→実績報告→確定審査→振込という流れで、振込まで採択後おおむね6〜12ヶ月程度かかることが一般的です。資金繰りには余裕をもって計画してください。

Q. 大阪市内の事業者が使える市の補助金はありますか?

大阪市独自のHP制作向け補助金については2026年8月時点で公式に確認できていません。大阪市産業局(大阪産業創造館)に直接お問い合わせください。大阪市内の事業者は国の持続化補助金が主な選択肢になります。

Q. 申請は自社だけで行えますか?

持続化補助金は自社申請が基本です(商工会議所・商工会のサポートを受けて申請する形式)。デジタル化・AI導入補助金は「IT導入支援事業者」との共同申請が必須で、単独申請できません。


まとめ

大阪の中小企業がホームページ制作で活用できる補助金の本命は、**小規模事業者持続化補助金(第20回)**です。ウェブサイト関連費として上限30万円(補助率2/3)が使えます。

第20回から変わったポイント:

  1. 1/4ルールが廃止され、少額プロジェクトでもウェブ費30万円を使いやすくなった
  2. Web広告費は「広報費」に分類移動(上限30万円で同様に使える)
  3. 相見積もりの基準が50万円超に引き下げ(旧:100万円超)

申請にあたっての3つの鉄則:

  • 採択通知が来るまで発注しない
  • 商工会議所・商工会への相談は締切2ヶ月前に動き出す
  • 経営計画書に数値目標を落とせる状態にしてから申請を設計する

補助金の活用も含めたWebサイト設計については、お問い合わせからご相談いただけます。経営計画書の整理段階から、私たちが伴走します。